自尊感情と育ち

10歳の壁と社会性の発達を考えてみる

** 子どもの「10歳の壁」とは何か?乗り越えるための発達心理学 渡辺弥生 **子どもの発達にとって、9歳から10歳ぐらいの変化は大きなもののようです。確かにこの辺りから子どもは少しずつ大人と同じ領域に入ってくるように思いますし、不登校やいじめな…

受け止める大人の力と子どもの育ち

** 現代<子ども>暴力論 芹沢俊介 ** 25年ちかく前の1989年に出版された本で、私が読んだのは加筆、増補されて1997年に出されたものです。私より先に読まれた方もたくさんおられると思います。”イノセンス”というキーワードで、時代の中の子どもをめぐ…

健康的な人と人とのぶつかりあいを回復していくこと

** ウィニコットがひらく豊かな心理臨床 ほどよい関係性に基づく実践体験論 川上範夫 **ウィニコットはイギリスの小児科医で精神分析家です。精神分析というとよく知られているのはフロイトやユングですが、その後イギリスで発展した精神分析にはいろい…

◆番外こらむ◇みんな違って、みんな<いい>?

皇居の正門前へ行ってきました。二重橋のあるところです。近くには官庁をはじめ、大手企業や銀行のビルも立ち並んでいますから、仕事で通りかかる人もたくさんいるのでしょうが、私は今まで、この場所には多分来ていないように思います。 東京駅の方からビル…

察しの文化の中で身につける「配慮ある自己主張」

** 心理学者に学ぶ 気持ちを伝え合う技術 榎本博明 **コミュニケーション、特に気持ちを伝え合うことに悩みがある人は大勢いると思います。いわゆる自己啓発系の本ですが、大学の先生による論理だてた解説がわかりやすいです。心理学者に学ぶ 気持ちを伝…

人と対峙する精神医学から学ぶこと

** こどものこころを見つめて 臨床の真髄を語る 対談:小倉清・村田豊久 聞き手:小林隆児 **小倉氏は昭和7年生まれ、村田氏は昭和10年生まれ。現在70歳台後半に差し掛かっておられる、こどもの精神医療の重鎮とも言える先生方の対談です。子どものここ…

家族との関係から発達障害を見直してみる視点

** シック・マザー 心を病んだ母親とその子どもたち 岡田尊司 ** 同じ著者の本が重ならないように配慮はしているのですが、以前取り上げた『愛着障害 子ども時代を引きずる人々 (光文社新書)』とからめて、この本を読みたいと思います。発売日が数ヶ月し…

人はみな傷つきながら成長するのだけれど

** きよしこ 重松 清 ** この本の物語の主人公の少年は、吃音(どもり)があります。小説全体の始めと終わりに作者自身が出てくる文章がついていて、作者の重松清さん自身の体験を元に書かれた小説であることがわかります。主人公は、小学校1年生から高…

発達凸凹とトラウマ

** 発達障害のいま 杉山登志郎 ** 母子アスペ、不登校とひきこもり、選択性かん黙、やせ症、強迫性障害、うつ病と双極性障害、気分障害、統合失調症、多重人格、大人の発達障害、クレーマー、それに2E教育。。。。このブログでも取り上げたいと考えてい…

自己愛と自己肯定感はこんなにも違う

** 自己肯定感って、なんやろう? 山田喜代春・版画 高垣忠一郎・文 ** このブログでも、ちょこちょこ使ってきたかもしれません。 自己肯定感 ということばです。私も、あいまいに使ってきたかも知れません。この本に噛み砕いて説明してあって、なるほど…

基本的自尊感情

最近、セルフエスティームということばをよく見たり聞いたりするし、発達障害の二次障害を考えるうえではとても大事なことだと思って、この本を選びました。死んだ金魚をトイレに流すな―「いのちの体験」の共有 (集英社新書)作者: 近藤卓出版社/メーカー: 集…