2012-09-01から1ヶ月間の記事一覧

さまざまな要素が絡み合うひとりひとりを見つめる

** ドナ・ウィリアムズの自閉症の豊かな世界 ドナ・ウイリアムズ(オーストラリア)** 世界的に有名な自閉症スペクトラム当事者のひとり、ドナ・ウィリアムズによって書かれた、自閉症論です。彼女は1963年生まれ。被虐待経験や家出といった壮絶な子ども…

☆レビューのレビュー(その7)☆発達障害は精神疾患なのか発達の個性なのか

この10冊を読みきるのは、なかなか大変でした。家族の状態や自分の立場が変わったことに加え、新しいことにもいくつか挑戦したことで、自分の生活パターンを作っていくことが難しいと感じました。ちょっとスケジュールが立て込むと体調を崩し、体力や集中…

<番外編>自閉症スペクトラムに関係するDSM−5の動向について

雑誌『臨床心理学第12巻第5号―特集 発達障害者支援』(2012年9月号)p.685〜p.686に、「DSM−5と発達障害」(黒木俊秀)という記事が載っています。前回の理解を踏まえて、臨床心理の専門家の方々が読む雑誌をちょっと覗き見しながら、DSMについても…

精神科の診断基準DSMの基礎知識

** こころのりんしょうà・la・carte Vol.28 No.4 精神科診断の新しい流れ:病名だけが診断ではない? ** 発達障害に接することになるきっかけはいろいろあると思いますが、関わる以上この用語は避けて通れないと思います。アメリカ精神医学会が刊行して…

<番外編>2E教育も能力差を前提にしているアメリカ流

久しぶりの番外編です。ふたつ前の記事『アタマの良さにも個人差があると考える時代がやってきた』で、とりあげた、2E教育についてです。記事の中で取り上げた本『ワードマップ 認知的個性―違いが活きる学びと支援』の中に、6ページだけですが、2E教育に…

『学校』をみんなで語り合える世の中にしたい

** 学校って何だろう 教育の社会学入門 刈谷剛彦 ** 社会学者の刈谷剛彦さんが、中学生新聞向けの連載として書かれたものをまとめたものです。学校とは、とくに日本の学校とは、どういうものなのか。 どうして毎日行かなければならないのか、どうして校…

アタマの良さにも個性があると考える時代がやってきた

** ワードマップ 認知的個性 違いが生きる学びと支援 松村暢隆・石川裕之・佐野亮子・小倉正義/編 ** 教育学の分野の本です。子どもの発達をどうとらえていくか、という視点から、人間の認知の個性を論じる内容です。ここで発達障害がどう論じられている…