身体と精神は根っこの軸でつながっている

   ** ねこ背は治る! 知るだけで体が改善する「4つの意識」 小池義孝 ** 


この本を私が読んだのは、2ヶ月ほど前です。

私のねこ背は、治りました。すごいです。物心ついてから半世紀近く、たくさんの人に注意され、いろいろ試してみて、治らないと思っていたものが、本を一冊読んだだけで、治ってしまうなんて!

どうすれば治るのか。それはとてもシンプルです。あまりにシンプルすぎて、

それをそのままこのブログに書いてしまったら、著者に申し訳ない。。。

というわけで、今回はその部分の要約はあえてやりません。是非本屋さんか図書館で読み、気に入ったら購入してください。

ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」

ねこ背は治る! ──知るだけで体が改善する「4つの意識」

ちょっとだけ言えば、体重のかけ方を意識するということです。本の中では、どの骨のどの部分に体重をかけるか、図解しながら丁寧に説明してありますが、一度理解してしまえば、難しいことではありません。あとは、

その骨のその部分に体重をかけることを意識するだけで、どんどんねこ背が治っていきます。


治っていく間、いろいろな体の変化がありました。伸びていなかったところが伸びるので、皮が突っ張るような感じがしたり、あまり使っていなかった筋肉に力が要るようになって頼りなく思ったりしました。毎日意識して普段の動きをすることで、筋肉もついてきて、徐々に自分の体が変わって行きました。

いちばん変わったのは、背中ではありません。腰のあたり、骨盤と大たい骨の接合部分です。脚の上にちゃんと腰が乗っているようになってきました。背筋は、ピンと伸びるというより、腰の動きに合わせてしなるようについてくるという感じになってきます。

そうすると、スクワットのような動きがとても気持ちよくできるようになってきます。脚を曲げたり伸ばしたりするときに、ばねのような弾みを感じるようになってきました。

なるほど、アスリートの人はこういう力を利用しているのか。と、納得するものがありました。そのような力が自分にあったことが驚きです。



この本がとりあげているのは、ねこ背の治し方だけではありません。呼吸が深くなる、腕力が上がる、速く歩く、という目的のために意識するカラダのポイントが解説されています。これらも理解してしまえばいたってシンプルです。日常生活のほか、他のエクササイズやボディワーク、スポーツなどをやるときにも応用できます。このブログがテーマにしている、発達障害の当事者にとっても、自分の体と上手に付き合うヒントになると思います。


この本は、いわゆる実用書として売られているのですが、よく読んでみると、なかなか含蓄のある言葉がちりばめられています。

 人間は、焦点があたらないものは、認識しない(36ページ)
 心は呼吸が深くなるだけで、安定するようにできている(54ページ)
 人間は過去には生きられない。誰でも明日に向かって生きているのだから、全員が前向きにできている。(111ページ)
 人間の心には、自覚できない部分が多くある(159ページ)
 身体の中心軸には、眠らされているあなた自身の意思がある(204ページ)
 
体を整える方法を学ぶ中で、人間の体や意識についても学ぶことになります。それがこの本に深い魅力を与えているように思います。

著者は一義流気功という気功の治療院をやっている方です。骨格の話以外に経絡やチャクラといった東洋の考え方も入ってきます。以前に紹介した西洋のフェルデンクライスと、発想のもとはかなり違うのですが、人間の体と心、意識の働きを連動して捉えている点では共通しています。

精神と身体は、根っこの軸ではつながっています(112ページ)

東洋医学をベースにはしていますが、潜在意識といった用語もでてきます。一昔前にはオカルトなイメージもあった言葉ですが、脳科学的には進化的に古い脳がつかさどっている、心臓や消化器、肝臓や腎臓などを統合し、生存し続けるように導いている意識できない意識のことを指しているようです(64ページ)。呼吸や姿勢は自分の意識である程度コントロールできるので、そこを変えていくことで、潜在意識を含めた自分自身の全体が変わっていくということを言っているように思います。


この本で勉強した正しい姿勢と正しい歩き方で歩くと、世界に現実感がでて、爽やかな気持ちになってくるといいます。健全な身体の動きは、何が心の正解かを、必ず教えてくれ、良い決断ができるようになってくるといいます。

もう治ることはないと思っていたねこ背が、ほんとうにどんどん改善しています。確かに、気持ちも明るく前向きになっています。字も大きく、文章は語りかけられるような調子で、セミナーを受講しているような気持ちですいすい読みすすめられます。どこに体重をかければいいかは立ち読みでもわかってしまいますが、

是非ゆっくりと手にとってお読みください。




(『ねこ背は治る! 知るだけで体が改善する「4つの意識」』小池義孝 2011年11月 自由国民社 )


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