身体の仕組みを視覚的にイメージすると

 ** ぜんぶわかる人体解剖図 系統的・部位別にわかりやすくビジュアル解説  坂井建雄 橋本尚詞  **


自分の体の細かい構造や働きについて気になるのは、体調がすぐれないとき。また、家族や大事な人が大きな病気になって、医師から説明を受けたとき。

リンパ節って何だったっけ。脳幹ってどこにあってどんな働きをしているのかしら?椎間板てどんな格好しているの?くも膜ってどんなもの?

そんな時、助けになる図解本です。


ぜんぶわかる人体解剖図―系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説

ぜんぶわかる人体解剖図―系統別・部位別にわかりやすくビジュアル解説



体じゅうのあらゆる器官が図解され、その働きについて入門的な説明がされています。

視覚的なイメージで物事を理解するタイプの人にはとてもありがたいですね。

ただ構造を図に描いて名称を並べてあるのではないところが良いです。たとえば、耳のところだと、最初の見開きに大きな図で耳の各部の名称が説明されていて、次の見開きには音の振動が耳に伝わる仕組みをこれまたかなり拡大した図で説明し、その次をめくると、平衡感覚について、回転運動、傾きについてそれぞれ説明してあります。どれもオールカラーの図を使い、短い文章で簡潔に説明が加えられています。

めまい、誤嚥(ごえん=誤って気管に食べ物がはいってしまうこと)などの不具合がどう起こるのか、排便と神経はどう関わっているかなど、家庭の医学として使える知識もありますし、入れ墨について、骨盤の性差による違いなど、雑学としても楽しめるものもちりばめられています。

医学生や関連の職業に就く人にとっては、参考書になるのでしょうか、巻末には復習ノートがついていて、白地図のようにコピーをとって書き込み勉強ができるようになっています。もちろん勉強にもなるし知的好奇心に応えるものではありますが、このブログで取り上げたのは、発達障害の人をはじめ、身体感覚の希薄な人たちの役に立つのではないかと思ったからです。



特に、骨格と筋肉の関係については、どこに筋肉がついていて、どの関節を動かしているのかということを知ることで、どの方向に伸ばしたらいいかというはっきりしたイメージを得ることができるかと思います。

私自身、脊柱を支える筋肉の図解(175ページ)を見たときは、こんな筋肉が私の背中を伸ばしたり縮めたりしているのだ、と、感動に近い気持ちになりました。頭蓋骨の下から骨盤までをカバーし、その名も最長筋(さいちょうきん)というのだそうです。

こういう筋肉が自分の背中にもついているとイメージした瞬間から、自分の背中の感覚が変わっているような気がするのは気のせいでしょうか。。。。?



知っていることも、知らなかったことも、確認しながらイメージで理解できる、よくまとまっていると感じます。似た本もいくつか見たのですが、医学生向けの難しい説明がついているものや版が大きすぎるものなど、家庭向きではないものが多かったように思います。

調べ物といえばインターネットの時代ですが、何か知りたいときじっくり参考にするのには、一家に一冊というのも良いと思います。定価1995円と、値段も手ごろです。
 




(『ぜんぶわかる人体解剖図 系統的・部位別にわかりやすくビジュアル解説』 坂井健雄 橋本尚詞  2011年9月 成美堂出版)




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